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梅里雪山への一人旅

2018年4月15日〜25日、中国雲南省徳欽県

梅里雪山(中国名、メイリーシュエシャン)は中国雲南省徳欽県(北西部)にある、6000m級の山岳地帯である。いくつかの氷河があり、年中雪をまとった美しくも険しい山稜でもある。

主峰カワカブは標高6740m。

そもそも今回の旅のきっかけは、1年前に県図書館で「梅里雪山_17人の友を探して」(小林尚礼著)を読んで大変興味を抱いたことにある。

特に、未踏峰であり、かつ今後もまず登山許可は出ない、チベット仏教の聖山であることに魅力を感じた。

・・・・自分自身の目で梅里雪山を眺めてみたい・・・・

その思いから、今年3月に具体的な準備とルート調査を始めた・・・・

 

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飛来寺の展望プラットフォームから見る梅里雪山の絶景

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2018年4月15日(日) 晴 
=1日目=  セントレア==>昆明長水国際空港

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4:00起床、6:00自宅出発、妻に軽自動車で藤が丘まで送ってもらう。

名鉄バス6:30発、7:25セントレア着。

9:00発、中国東方航空を利用。

上海/浦東国際空港で乗り継ぎ、荷物も一旦受取り、再度チェックイン。

保安検査も厳しく、うんざりするくらい時間がかかる。

16:45昆明(クンミン)着。

昆明に着いたら、まずやるべきことは・・・・中国元の入手!・・・・空港内ATMにて1500元キャッシング。

現地通貨への両替は、日本でも現地でも手数料がバカにならない。

これまでの経験上、現地のATMでキャッシングするのが一番手数料が安い。

現地のショップ、レストラン、交通機関でもクレジットカード払いは、結構手数料が高いので要注意・・・・

昆明長水国際空港では、残念ながらWiFiが繋がらなかった。

結果的にEメールを見ることができなかったため、迎えに来ているはずのホテルのドライバーを短時間で見つけることができなかった。

まあ・・・・時間はかかったが、私の名前を書いたプラカードを持った男性を見つけてひとまず安心。

とりあえず、今晩の宿は無事、確保!

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2018年4月16日(月) 晴 
=2日目=  昆明==>香格里拉

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さてと、問題の2日目・・・・

 

4:00起床、6:00ドライバーのお迎え

 

8:25昆明発 香格里拉(シャングリラ)行 中国東方航空 を予約済み・・・・のはずだった!

 

しか〜し、事前に中国国内便のネット情報を調べた私が悪いのだが、「時間どおりには飛ばない」、みたいな概念がインプットされていた結果、チェックインできなかった!

そもそも私がウォッチングしていたフライト・インフォメーション・ボードには、乗る予定のフライト便が直前まで表示されていなかったのである。(・・・・ここで強く疑問を持つべきだった)

8時ちょっと前、やっとボードにそのフライト便が表示されたのでチェックインカウンターへ行くと、なんと「7時40分に受付は終了しました」と言う。

怒りに打ち震えながら抗議したが、当然受け付けてもらえない・・・・

 ・・・・

 ・・・・

諦めて、午後便のチケットを正規料金を払って購入(ハラタツノリ)。

15:20昆明空港を出発、16:50シャングリラ空港に到着。

本日の宿泊は、飛来寺のホテルを予約済で、すでに支払いも完了していたが、時刻を考えればもう諦める選択肢しかなかった。

次の難問は、ここシャングリラでの本日の宿の確保。

空港の外に出てみたが、まわりに建物らしきものは見当たらん・・・・しかもバス停もないようだ。

仕方ないからタクシーがたくさん駐車しているほうへ、突撃・・・・

 ・・・・英語が全く通じないが、なんだかんだといろんなドライバーとやり取りした挙句、美人ドライバーのタクシーに決めた。

おっさんドライバーたちの卑猥な言葉(たぶん)を一杯浴びながらも、タクシーの後部座席におさまってまずはひと安心。

適当な安そうな宿がある地区まで、無事、我が身を運んでもらった。

タクシーを降りた目の前の古びた宿屋の門をくぐり、宿泊交渉。

ここは韓国人オーナーが経営するホステルで、シングルルームを確保! 1泊120元なり。

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2018年4月17日(火) 晴 
=3日目=  香格里拉==>徳欽県飛来寺

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早朝、シャングリラの古い町を少しだけ散歩。

小さな中華饅頭を1個だけ買い求めたが、店の大将は嫌な顔もせずに売ってくれた。

 ・・・・

タクシーを拾ってバスターミナルへ。

10:30発、徳欽(デチン)行きのバスに乗車・・・・20人乗りくらいの小型バス。

14:30徳欽着。

ここから飛来寺(フェイライシ)までの交通機関はタクシーしかないが、運良く中国人夫婦と相乗りできた。一人10元なり。

 

さて、飛来寺ではまずは宿を確保する必要があったが、地理に不案内ゆえ周辺を調べるのが時間かかりそう。

結局、中国人夫婦の奥さんのほうがしきりに同じホテルに泊まれ、と誘うので高そうなホテルではあったが、隣部屋の豪華ダブルルームにチェックイン。 1泊180元なり。

 

部屋の大きな窓からは、いながらにして梅里雪山の全貌が拝める。

日本を発ってから3日目にして、もう目的地の絶景を​目の当たりにしているのが信じられないくらい・・・・ここはチベットにも近い中国の奥地なのに・・・・だ。

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金沙江長江上流部)

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2018年4月18日(水)晴、19日(木)曇/小雨 午後から晴 
=4,5日目=  徳欽県飛来寺にて沈殿(高所順応のため)

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さて、飛来寺の標高はすでに3480mもある。いきなり槍ヶ岳の山頂より高い場所に来た結果、高山病の初期症状とおぼしき頭痛に見舞われた。そのため、2日間飛来寺に滞在してぶらぶらしていた。

宿は国際ユースホステルを見つけて確保した。1泊27元(ユース会員価格)なり。日本円にしたら459円(17.0円/元で計算)・・・・格安!

梅里雪山展望台、入場税60元、3日間有効。

地名の由来となっている「飛来寺」にも行ってみた。

もともと寺院しかなかった場所に、梅里雪山の展望が素晴らしいので観光・宿泊施設がここ25年くらいの間にできた町らしい。1時間位歩くと、町を横断してしまう。

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2018年4月20日(金) 晴
=6日目=  飛来寺==>雨崩村

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ようやく頭痛も収まったので、気を引き締めて雨崩(ユイポン)村へ向けて出発。。

この村は「現代の桃源郷」とも呼ばれる・・・・美しい村、らしい。

交通機関はなく、徒歩または馬で行くしかない、ということになっている。

雨崩村は、梅里雪山の主峰カワカブの山麓奥深く入ったところにある。

 ・・・・

ユースホステルに大きなザックはデポ(無料)。

必要最小限のものをデイパックに詰めて、トレッキングスタート地点の西当温泉まで乗合タクシー利用。所要時間約1時間。一人20元。

途中、瀾滄江(メコン川上流部)を渡る橋のたもとに入場税徴収所があった・・・・40元、さらにどういうわけだか、中国人以外は全員パスポートも見せるよう要求された。

 ・・・・

9:10西当温泉少し上の駐車場からトレッキング開始。7人くらいが一斉に歩き出したが、すぐにバラバラに・・・・

12:55峠到着。迫力ある梅里雪山が眼前に迫る。

15:40国際青年旅舎到着。1泊25元+預け金100元(チェックアウト時に返金)。

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瀾滄江メコン川上流部)の眺め

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2018年4月21日(土) 曇 時々 雨
=7日目=  雨崩村==>飛来寺

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私の泊まったコンパートメントは、狭い6人部屋(2段ベッド)を独り占めだったが・・・・寒〜い。

 ・・・・

早朝は小雨が降っていたので、即決、散歩は諦めた。

ここのトレッキングコース奥には、「氷湖」とか「神瀑」とかの名所があるのだが・・・・

元来がチベット仏教の聖なる場所ゆえ、おぬしのごとき無信心者がブラブラと訪ねていくべきではない・・・・とのご神託が、夜明け前に降りた・・・・ような・・・・

雨が上がると、所々虹が掛かってきて、まさに桃源郷のよう。

桜とはちがう、趣のある梨、桃の花も咲いているようだ。

 ・・・・
コーンおかゆを朝食にいただいてから、8:52ユースホステル出発。

だがこの時、今日の午後にも、思いもかけない失意のどん底に突き落とされようとは、露知らず・・・・

10:15峠、到着。

13:20西当温泉着。

さて、何はともあれ、バス停をあちこち探す・・・・う〜ん?・・・・見当たらない!

バスの停留所はおろか、タクシーさえも見当たらない。

これからどこかへ帰るトレッカーの姿も見えない。

・・・・どういうことだ、ここは観光地ではないのか!(・・・・そのとおりじゃ!、ここは民家もない、ただの山奥・・・・)

かろうじて食べ物屋らしき質素な平屋があったので、仕方なくそこに入った。

地元の人らしき若者と老人の二人が、テーブルでラオチューか何か飲んでいる。

(老人のほうが店主であった)

もうすでに出来上がっているようにも見えるが、如何せん英語が全く通じない。

時間はかかったが、とにかくバスは走っていないことはわかった。

 ・・・・

たくさんのクルマが止まっている公営駐車場に管理事務所があったので、同じことを尋ねたが結果は同じ。

事前のネット情報ではバスの最終出発時刻まで書いてあったが、その情報が古かったのである。

こちらに来てから確認しなかった自分が悪い・・・・

さてさて、悔やんでみても後の祭り・・・・どうやって安全に飛来寺にもどるか?

一番の問題は、手持ちの現金が残り少ないこと・・・・80元くらいか・・・・

最初からバスを当てにしていたからナ・・・・

まだお日さまは高いし(無情の小雨が降っていたが・・・・)、何とかなるさ。

・・・・と、肚をくくって、とりあえずヒッチハイクを試してみようと決めた。

これからクルマで帰るトレッカーに期待しよう、できれば欧米人がいいな・・・・

などと、虫のいいことを考えながらも、待てど暮らせど帰るらしきクルマが来ない。

そのうちに、さきほどの酒を飲んでいた若者が帰宅するらしく、車道を歩いて下って行った。

 ・・・・

だんだん不安という風船が膨らんでくる・・・・

しばらく時間が経過し、諦めかけてヒッチハイク以外の対応策を思案していると、下から大型の四輪駆動車が上ってきた。

そして私の少し向こう側に停車した。すると、助手席から先ほどの若者が降りてきて、何ごとか中国語で話しかけてくる。

中国語はわからないが、どうやらこのクルマを利用せよ、と言っているらしいことは状況からして理解できる。

運転席から若い男、後席から若い女が降りてきて、飛来寺まで送る、200元だ・・・・と、中国語で言う。私は英語で、手持ちが少ない、100元にならないか?と言う。不思議なことにお互い相手の言語はわからないのに、言わんとすることは何となく理解できる・・・・

結局、背に腹は変えられないので200元で了解して、途中、ATMに寄ってもらうことにした。

やれやれ、これで兎にも角にも飛来寺までは戻れそうだ、と安堵した。

16時頃、無事、飛来寺に到着。

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2018年4月22日(日) くもり のち 晴
=8日目=  飛来寺==>香格里拉

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6時起床、出発準備。

マスターと顔馴染みになった、この町唯一の(?)洋風コーヒーショップで朝食、48元・・・・。

 

8:40発シャングリラ行きバスに乗車、58元。

13:30頃、シャングリラに到着・・・・したが、バスの終点がどうやら知らない鉄道駅前。

しかも、駅の中でもフリーwifiが繋がらないので右も左も全くわからない。そこで、タクシーを捕まえることに。

タクシーの乗車拒否にもめげずに、3台目でやっと乗車できた・・・・が、予約した今晩の宿の名前を言っても、知らない、という返事(小さな宿なので当然ではあるが・・・・)

とりあえずは、旧市街地へ行ってもらうことにした・・・・

10分くらいで大きな観光広場に着いて、そこで降ろされた。

しかし、ここでもフリーwifiが繋がらないので、今、自分がどこにいるのかわからず、途方に暮れた。

・・・・がこの時、神様がまたもや小生に救いの手を差し伸べてくれたのだ・・・・

突然、ある中国人男性が声をかけてきたのである。

しかもどうやら、雨崩村で会ったではないか、と懐かしそうに(つい2日前のことではあるが・・・・)言う(中国語で)。

最初は思い出せなかったが、ある知人によく似た顔の感じから、30秒後くらいに、2日前の夕暮れ時の記憶が劇的に蘇った。

・・・・マニ車がある小川のところで、氷湖への道しるべを見ながら行こうかどうしようか迷っていた時に、デイパックを背負った男性がひとり氷湖の方角から歩いて来た。

知人に顔の雰囲気があまりにも似ていたので、思わず日本語で気安く話しかけたところ・・・・激怒・・・・された(中国語で)。

今、目の前に立っているのがその人である。

その時とは打って変わってフレンドリーな様子。

・・・・なので、思い切ってタブレットの地図を見せながら、ここはどこだ?、と尋ねてみた(中国語で・・・・ウソです)。

​ ・・・・・・・・

おかげさまで、今晩の宿の方角とおよその距離がわかったので、厚く礼を言って別れた。

その後、旧市街地を歩いて、とあるwifi有りの喫茶店に入って最終的に宿の位置を確認・・・・助かった・・・・のである。

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2018年4月23日(月)、24日(火) 晴
=9、10日目=  昆明

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早朝、タクシーを拾ってシャングリラ空港へ、20元。

9:10離陸、10:15昆明長水空港に到着。

今回は雲南祥鵬航空を利用したが、荷物代別料金で80元も取られた(/_;)

昆明は雲南省の省都で、人口は600万人超の大都市である。標高1800m。

郊外にある空港からは、新しくてきれいな地下鉄電車が市街地へ向かって走っている。

地下鉄駅から地上に出ると、結構、日差しが暑い!

昆明は緯度的には台湾の台北と同じくらいで温暖気候なので、南国チックな果物類が店先に並んでいる。

予約した今晩の宿は、「昆明大脚氏国際ユースホステル」、地図を見ながら徒歩2,30分くらいで見つけられた。

比較的きれいな施設。2泊で40.5元(会員料金)+預け金100元。

洋食を出してくれるレストラン併設で、実にありがたい(飲食街で洋食レストランを見つけるのは一苦労なのだ)。

ドミトリー同室の若い中国女性は、ここに長期滞在しながら専門学校に通っているそうだ(何を勉強しているかはもう忘れてしまったが・・・・)。

別の階に、同じように学校に通っている日本女性がいた。

今回、こちらに来てから初めて会う日本人。神奈川県の人で年齢は70歳、中国語を学ぶために大学に聴講生として来ている、ということだ。

中国に短期留学するのは、割合に簡単らしい・・・・昆明で勉強するのは2回目と言っていた。

この方は一人で長期滞在するだけあって、なかなかバイタリティな生活をしていた。

早朝、起きるとすぐバルコニーで体操、その後、マイラケット持参で歩いて30分くらいの翠湖公園へ行き、中国人グループの中に混じってバドミントンを1時間くらい。帰って来てから朝食、シャワー、それから学校・・・・フゥー・・・・。

 ・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

昆明には2日間滞在したので、あちこち、歩いて行ける範囲内で市内見物した。

近所には住宅アパートがたくさんあり、早朝から人々が通りを行き来している。

小学生の登校風景は、日本と全く異なる​・・・・・・・・門前にはものものしく警察官が2,3名立ち、周囲に鋭い視線を配る・・・・小学生ひとりひとりにそれぞれ父兄が付き添い、ある人は高級乗用車で、また、ある人はモーターバイクで、門前まで送って来る・・・・。

聞くところによれば、これは近年、誘拐事件が頻発していることが原因らしい。それも、直接の金銭目的ではなく、人身売買・・・・子供に恵まれなかった、地方の富裕層に需要がある・・・・ということだ・・・・中国では未だに何でもやってやる、の人々がいる・・・・ま、日本でも大差はないか。

 ・・・・

4月25日(水)10:25昆明出発、興義(シンイ)空港経由、悪天候のためここで30分待機。

20:50セントレア到着、お疲れさま・・・・。

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公園内の海心堂(?)

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