
ジイさんは荒野をめざす
2回目のカミーノ・デ・サンティアゴ
前編(10日目まで)
ブルゴス〜マンシージャ・デ・ラス・ムラス
サンティアゴ巡礼の旅をブルゴスから再開。
実りの秋風景を期待してきたが、残念ながら取り入れはほとんど終わっていて、枯れた大地、という感じ。
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2016年10月13日(木) 雨のち曇
=1日目= ブルゴス→ラベ・デ・ラス・カルサーダス 13km
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朝7時30分、アルベルゲ出発。辺りはまだ暗く、天気は雨。
時差のため睡眠不足。
カテドラル近くのバルにて朝食。
・・・・・・
枯れた野原に見たことがない、黒い実がついた草がたくさん生えていた。
興味が湧いたのですぐ近くまで行って観察。
すると、後ろから歩いてきた60代とおぼしき、二人のスペイン男性ペレグリーノが大声で何か叫んでいる。
スペイン語らしいが、話しぶりからしてどうやら毒草だから触るな、と注意してくれたようだ。
・・・・・・
アルベルゲ・レベラノス・ドミネに投宿。
ペレグリーノ定食8€、朝食3€。







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2016年10月14日(金) 曇のち晴
=2日目= ラベ・デ・ラス・カルサーダス→オンタナス 20km
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9時間の睡眠にて体調回復・・・・・・
が・・・、朝からどんよりとした天候で、枯れ草色のカミーノとの相乗効果か、気分的にスッキリとはしない一日。
ちょっとした峠にて弁当の昼食。チョリソーのボカディージョとバナナだけ。
15時頃、オンタナスのメゾン・アルベルゲ・エル・プンティドに到着。
ドミトリにてゲート・ウォリスという面白いおっさんと出会う。
南アフリカ生れのアメリカ人で、ブロンポニーの愛好家だという。
ブログはこちら→ http://bromponie.blogspot.com
夕食の食堂で、日本人離れした謎の美人ミサトに会う。
パサパサの鶏肉ペレグリーノ定食9.5€。





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2016年10月15日(土) 曇時々晴
=3日目= オンタナス→イテロ・デル・カスティージョ 22km
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朝、暗いうちに起きて、自炊キッチンの小さなテーブルで昨日の昼食の残りと水で朝食。
ヘッドライトをつけて出発。
夜が明けてすぐ、野ネズミのいる草原で後ろから凄いスピードでミサトが追いついてきて、あっという間にどんどん先へ。
32日間でサンティアゴに到着したいので・・・、というお言葉を残して・・・
おっさんは景色を楽しみながら、ノンビリ・・・と。
カミーノはサン・アントン修道院の古い門を潜りぬけ、やがて天空の城のような村カストロへリスを通り抜ける。
ここでちょっとコーヒーブレイク。函館から来たという若い日本人女性と出会う。
彼女はここまでミサトに負けないくらいのスピードで歩いてきたが、すでに両膝を故障していた。
峠まで一緒に歩いたが、見ていて痛々しい・・・・・・
・・・
このあとおっさんは外反母趾の古傷が疼いてきたので、カミーノ上の次の村まで歩くのを諦めた。途中の看板に導かれ、巡礼路から1kmくらいはずれたイテロ・デル・カスティージョという村の公営アルベルゲに投宿。夕食つきで10€。
今晩の巡礼者は、なんと小生ただ一人!
過疎の村、カミーノの賑わいの恩恵が全くないところもあるんだ、と初めて知った次第‥‥







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2016年10月16日(日) 曇
=4日目= イテロ・デル・カスティージョ→フロミスタ 20km
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AM6:30、お化けが出てもおかしくない(・・・誰もいない!)アルベルゲを出発。
当然、外はヘッドランプが頼りの、闇夜。
次の村イテロ・デ・ラ・ベガのバルにて、クロワッサンとカフェオレの朝食。
暗闇の中から歩いて現れたので、バルにいた客から「あんた、どこから来た?」と驚かれた。
・・・・・・
カスティージャ運河沿いの、美しい風景を楽しみながら歩くと、やがて古い水門に着いた。
ここで初めて馬に乗ったペレグリーノと遭遇。
逆方向に行ったので、おそらくサンティアゴからの帰途、と推測。
ここから比較的大きな町フロミスタは、すぐそば。
疲労感を覚えていたので、最初に見つけたアルベルゲ、鉄道駅のすぐ隣のところに投宿。
ここでは経営者家族全員が、スペイン語しか通じないのでチンプンカンプン。
空腹を感じたので、15時半頃食堂に行くと家族3人で大鍋のパエリアを食していた。
何かよくわからないが、食え、食え、と言うので遠慮なく頂いた。
大将が飲んでいた白ワインも2杯‥‥うまい!
ついでにデザートも‥‥
スペイン人は1日5回食事することを初めて知った!
‥‥











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2016年10月17日(月) 曇
=5日目= フロミスタ→カリオン・デ・ロス・コンデス 22km
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いつものように真っ暗闇の中、一番に起きて出発。
町のバルでクロワッサン2個の朝食を済ますと、夜が明け始めた。
フロミスタには古い教会が3つある。
そのうちのカスティージョ・サンタ・マリア教会とサン・ペドロ教会は、昨日の夕方までに見た。
今朝は、残ったサン・マルティン教会をじっくりと観察。
雲間からは月も姿を見せて、なかなか風情がある。
‥‥
今日は道中、誰かと言葉を交わすこともなく過ぎた。
大概は枯れた大地の景色を眺めながら、時々は小さな村の古い教会を鑑賞しながら・・・黙々と・・・
カリオン・デ・ロス・コンデスは比較的大きな町だが、都会ではない。
町の中心に古いカミーノ・サンタ・マリア教会があり、その付属アルベルゲにチェックイン。
ここには立派な自炊設備と、教会の裏庭を望んだ野外テーブルがあったので、晩酌は自炊に決定。
町のスーパーで冷凍食品の小エビとほうれん草のオイル煮、および白ワインを購入。










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2016年10月18日(火) 曇時々晴
=6日目= カリオン・デ・ロス・コンデス→カルサディージャ・デ・ラ・クエサ 21km
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いつものように暗闇の町のバルで、クロワッサンとカフェオレの朝食。
AM8:00 ウォーキング開始。
昨晩、飲み過ぎた?せいか、お腹の感じがイマイチ・・・
歩く気力もイマイチ・・・
道中、剛毛のワンちゃんと遊び、枯れ草の中で休憩しながら・・・・・・歩く。
食欲もあまりないし、体調も今ひとつ上がってこない。
・・・・・・
カルサディージャ・デ・ラ・クエサの公営アルベルゲに投宿。
食欲はわかなかったが何か腹に入れなくてはと、近くのレストランにてペレグリーノ定食で・・・・・・晩酌。







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2016年10月19日(水) 曇時々晴
=7日目= カルサディージャ・デ・ラ・クエサ→サン・ニコラス・デル・レアル・カミーノ 16km
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ここ2日間は腹の具合がおかしい。最初は単にワインが合わなかったかと思ったが、だんだんと体調が悪くなってきた。
こうなると、原因は2日前のカリオン・デ・ロス・コンデスで自炊した際の冷凍食品の食あたり、と判断せざるを得ない・・・小エビとほうれん草に冷たい部分があった・・・(加熱不足)・・・(;_;)
今朝、バルにて悄然とモーニングコーヒーを飲んでいると、メガネをかけた若いオネエさんが心配をして声をかけてきた。
そして、これが効く、とショウガの砂糖漬をプレゼントしてくれた。
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これを食べたら、徐々に体調が回復傾向に‥‥
彼女がマリア様に思えた。
・・・・・・
道中、小さな村ばかりで薬局は見つけられなかった。
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サン・ニコラス・デル・レアル・カミーノのアルベルゲ ラグナレスに、やっとの思いで投宿。
ここはこじんまりしているが、美しい庭があって雰囲気がいい。
シャワー、洗濯後、周辺を散策。
アルベルゲのレストランでの夕食は、食欲不振でほとんど食べられず・・・ワインは飲んだが・・・










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2016年10月20日(木) 曇時々晴
=8日目= サン・ニコラス・デル・レアル・カミーノ→カルサーダ・デル・コト 15km
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今日は途中、サアグンの町で薬局を見つけ、胃腸薬をゲット‥‥やっと一安心(^^)
「Fermental MAX」→あとで調べてみると、Bacillus coagulansという乳酸菌の一種らしい。
しかし、1日1タブレットと言われたので、急激な回復は期待できなさそう・・・
薬局の若いおねえさんからは、他に水ではなくアクエリアスを飲むように指示された。
ちなみに下痢のことを英語で・・・diarrhea・・・発音が難しい・恥ずかしい
・・・・・・
昼頃、カルサーダ・デル・コトの公営アルベルゲに一番乗りでチェックイン。
ここは寄付システムだった。
後から韓国の若い女性二人組と、久々の日本人、田中青年。
本日は結局、以上4名で貸し切り状態・・・
ここは直前でカミーノの分岐があり、現在はマイナーな方のコースに当たるせいで少ないかも?
今日もレストランでの夕食は、食欲なくほとんど食べられず・・・田中青年に代わりに食べてもらった・・・しかし、ワインは飲んだ・・・
田中君は世界旅行の途中で、このカミーノ・デ・サンティアゴの話を聞いてやって来たらしい。
長身細身で今どきの好青年・・・1日30kmめどに歩き続けている。








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2016年10月21日(金) 曇時々晴
=9日目= カルサーダ・デル・コト→エル・ブルゴ・ラネロ 19km
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フランスパントースト、カフェオレ、ビスケット・・・オスピタレロのおばさま提供の朝食をありがたく頂き、8時出発。寄付5€。
田中青年は丁寧に折り紙で鶴を折っていた。
韓国女性二人組とほぼ一緒に出発したが、ここでいきなり失敗。まだ真っ暗なので進むべき方向を間違えた。
後から出発してきた田中青年に追いつかれた。
このルートはオリジナルのフランス人の道で、30km弱先のマンシージャ・デ・ラス・ムラスまでアルベルゲがない!
ワタクシはそこまで頑張る気は毛頭ない。
・・・で、昨日の分岐点まで戻って、最近の主流ルートを進む。
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忌まわしい「食中毒」から徐々に回復し、食欲もだいぶ戻ってきた。
やれやれ・・・と。
エル・ブルゴ・ラネロのちょっと汚そうなアルベルゲにチェックイン。
シャワー、洗濯後、小さな村の中を散策。
夕食には少し早いが、村のレストランにてパエリアで晩酌。
メニューの黒板に日本語を発見してビックリ!
ところで、今日のアルベルゲのドミトリには、奇妙な日本人男女二人の老人もいた。
本当は3人グループなのだが、もう一人は足が遅いとか非難して、毎日置き去りにしているらしい・・・
彼は結局、たどり着いたのかどうか・・・気が付かなかった。
毎朝3人共、今日の宿泊予定アルベルゲにバックパックを宅配便サービスを利用して送るので、歩くときは軽装。おおよそ、料金は5€。









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2016年10月22日(土) 雨のち曇
=10日目= エル・ブルゴ・ラネロ→マンシージャ・デ・ラス・ムラス 21km
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今朝の天気は小雨模様。
気分的にはイマイチ・・・
朝食はアルベルゲの自炊キッチンにて、ケーキ、バナナ、水。
ドミトリに戻ると、例の日本人組はすでに出発したらしく、姿が見えなかった。
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マンシージャ・デ・ラス・ムラスの公営アルベルゲに到着した際は、少し雨脚が強かった。
今日は結局、午後3時頃まで雨天。
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ここのアルベルゲはかなり老朽化していて、トイレも3つしかない。
しかも、そのひとつは鍵が壊れていた。
ドミトリの室内も雨のせいか、何となく陰気臭い。
シャワー、洗濯後、町の散策。
他にすることもないので、夕方5時前からアルベルゲ前のレストランにて晩酌開始。
ソーセージ、目玉焼き、ポテト、ビール、ワイン・・・・・・食あたり、だいぶん回復(^_^;)
食事後、アルベルゲのキッチンでコーヒーを飲んでいると、例の日本人組が夕食にやって来た。
今日はちゃんと3人揃っている。
リーダーらしき年長の爺さんが、備え付けのワインオープナーの使い方を知らないらしく、ワインの開栓に苦労している。
親切心からワタクシが開栓してあげたが、爺さんの態度が尊大だったので、すぐに後悔・・・
午後7半頃、ベッドに潜り込んでいると、階下の談話室からギター伴奏つきの若い女性の歌声が聞こえてきた。
どうも若者のグループらしい・・・いいねえ、こういう雰囲気は・・・








Coffee Break 1
今回は、カミーノ・トレッキングは一体いくら費用がかかるか、というお話。
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10月11日セントレア出発出国、11月2日セントレア到着帰国、21泊23日の旅。
大雑把に言って、往復航空券、マドリッド滞在費、トレッキング中の宿泊費・飲食費、スペイン国内交通費、全てでおよそ17万円・・・(1€119円で計算)
航空券は楽天トラベルで予約、¥85000くらい、コリアンエア、インチョン空港乗り継ぎ。
マドリッド宿泊はもちろんホテルではなく、格下のオスタル(Hostal)40€前後、高級レストランには興味なく当然、目も向けない。
アルベルゲはシャワーつき素泊り、公営で5€〜7€、民営で7€〜10€。
アルベルゲ近くのレストランやバルでは、たいていペレグリーノ定食(巡礼者用定食)というのを出してくれ、9€〜15€。ワインハーフボトルつき。ただし、夜7時もしくは8時から提供というルールがあって、ワタクシは大概その時間まで待てない・・・
カミーノで飲むワインも、高級なものに興味なし。
レストランで飲むにしてもせいぜい1杯2.5€くらいまで。
バルのハウスワインならたいてい1€、ビールより安い!
安くても・・・う・ま・い!
洗濯は手洗いで済ますので、タダ。
コインランドリーは使ったことがないが、1€〜5€くらい。
最後に、万が一の用心に、旅行保険、1万円くらい払った。
病気・ケガの治療・入院費用は高いらしいので・・・
