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2回目のカミーノ・デ・サンティアゴ

  後編(11日目〜18日目まで)

マンシージャ・デ・ラス・ムラス〜ポンフェラーダ

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2016年10月23日(日) 雨時々曇
=11日目=  マンシージャ・デ・ラス・ムラス→レオン 24km

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早朝のキッチンで、ケーキ、紅茶、バナナの朝食を取っていると、昨晩の「歌姫」がやって来た。声をかけてみると、なんと母親が日本人のニュージーランド人だ、とのこと。

東京に住んでいたことがある、ということで日本語がペラペラ!

二度びっくり。

 

・・・さて雨の中の暗闇、勇気を奮って出発したはいいが、今日は道に迷った。

 

レオン市街地から出る大きな橋を越えたところで、例の日本人3人組のひとり、足が遅いという方が戻って来るのに出くわした。

頭に白いものが混じった、ワタクシと同年輩の男性。

なんでも、いきなり出発から他の二人に置き去りにされた、とのこと。

・・・意地悪に等しい、これが毎朝のことらしい・・・

これではもはや友達とはいえないのでは?と思ったが、とても口にはできなかった。

この先サンティアゴまではまだ330km超!もあるというのに。

この方のいじらしいほどの優しい性格に、同情と哀れみを禁じ得なかった・・・

ワタクシの進んでいる方向はルートから外れているらしく、一緒に橋のところまで戻った。

別の欧州男性と3人でヘッドランプであたりを照らし、やっと路上の黄色の矢印を見つけた。

ところが、人のせいにはしたくないが、結果的にこれも正規のルートとは違っていた。

かなりの距離を歩いてからまた引き返し、結局、橋を渡る市街地手前まで戻り、ようやく道路の反対側に本当らしい黄色の矢印を発見。

辺りはもう夜が明け始めていた。

1時間のロス・・・やれやれ。

・・・・・・


どうにかこうにか、ブルゴス以来の都会レオンに到着。
かねてからここではオスタルに泊まって、手足を思う存分伸ばそうと決めていた。

カテドラルのすぐ近く、Hostal Albany シングル30€。

ここのカテドラルの存在感は圧倒的で、畏敬の念を抱かせる。

見る方向を変え、見る時間帯を変え、いつまで見ていても飽きることはなかった。

 

・・・・・・

ところでシャワー後、昨日あたりから何となく違和感を抱いていたので、よく見ると・・・

・・・両手、両太もも、右腕、全部で10個所くらい・・・

・・・・食われていた・・・

・・・・・・Bed Bug・・・

・・・・・・・ひそかに・・・

・・・・・・・・・恐れていた・・・

・・・日本名・・・

・・・・・ナンキン虫・・・

・・・・・・・らしい・・・

・・・・・・・・・ああああ〜!

・・・・・・一難去ってまた一難・・・

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2016年10月24日(月) 小雨
=12日目=  レオン→ラ・ビルヘン・デル・カミーノ 14km

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昨日は着ていたものをすべて洗濯したし、今朝は新たな被害個所はないので、もう大丈夫・・・たぶん・・・

ただ、痒みがきつい・・・

それにしても、一体どこでやられたのか?

虫そのものを見ていないので推測でしかないが、柱に黒い点々としたシミがついていた一昨日のアルベルゲ・・・どうも怪しい・・・

オスタル1階のカフェで朝食を済ますと、レオンの市街地をブラブラして薬局の開店を待った。

そして開店と同時に、痒み止めと虫除けスプレーを購入、合わせて16.56€。

その後、カテドラル内部の見学、巡礼者割引あり。

素晴らしいステンドグラスの数々を目の当たりにして、言葉が出ない・・・

 

‥‥

今日は朝から一日、小雨模様。

ガツガツと歩く気力は乏しく・・・黙々と歩く・・・

ラ・ビルヘン・デル・カミーノで公営アルベルゲの案内看板を見つけたので、わざわざ巡礼路から外れ、ヨロヨロとやっとの思いでたどり着いた。

・・・ところが・・・

・・・閉鎖中・・・

で、がっくり・・・

結局はまた巡礼路に戻り、ちょっとだけ高級なHOSTAL SAN FROILANに投宿、27€。

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2016年10月25日(火) 小雨
=13日目=  ラ・ビルヘン・デル・カミーノ→サン・マルティン・デル・カミーノ 18km

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今日も朝から小雨模様で、何となく冴えない一日。

・・・・・・で、わずか半年前のことながら、昼間の行動がほとんど思い出せない。

・・・残念

・・・・・・

公営アルベルゲは敬遠して、民間アルベルゲのシングルルームに投宿。

2食つきで25.5€。

別室には中年の韓国人がいて、挨拶を交わした。

 

夕食はパエリア、ソーセージ、ワイン、デザートはアイスクリーム。

食事の味はイマイチ・・・といったところ。

同じテーブルには挨拶した韓国人と欧州の老夫婦がいたが、会話はほとんど弾まなかった。

夕食後、早々にベッドに潜り込む。

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2016年10月26日(水) 晴
=14日目=  サン・マルティン・デル・カミーノ→サン・フスト・デ・ラ・ベガ 21km

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今日は天気も良くてカミーノの秋を堪能、久々に満足した一日だった。

出発して5kmくらい歩いたところ、プエンテ・デ・オルビゴで最初のコーヒーブレイク。

ここのバルにはきれいに芝生を敷き詰めた、雰囲気のいい裏庭があった。

驚いたことに、この芝生の上で2羽のカッコウが草の実をついばんでいた。

きれいなお腹のシマシマ模様が印象的だったので、カッコウに間違いない(たぶん)・・・・・・

 

休憩後は、オスピタル・デ・オルビゴの長い石橋へ。

町を抜けると、広大な農地と清々しい山の水が流れる用水路。

 

 

・・・・・・

 

途中、道を間違えたことを昨晩同宿した韓国人に教えられた。

そして、二つの小さな村を過ぎると、本日のメインイベント、標高900m超のコロンバ山越えに突入。

広々感のある農地があちこちにあり、山というよりは、丘といったほうが適切かも?

サント・トリビオの十字架のところからアストルガの街を見下ろした時は、やっと見えた、と感激した。

・・・が結局、疲労もあってアストルガまでのwalkingは無理、と判断。

手前の小さくて静かな町のアルベルゲに投宿。

 

シャワー、洗濯後、静かな町を散策。

教会が沈みゆく秋の夕日の中で凛としていた。

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2016年10月27日(木) 晴
=15日目=  サン・フスト・デ・ラ・ベガ→サンタ・カタリナ・デ・ソモサ 18km

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鉄道を跨ぐ、やけに長い歩道橋を渡って、アストルガの街に着いた時、まだ夜は開けていなかった。

街灯に浮かび上がる、幻想的な街並みを楽しみながら歩く。

その街の一角にある、巡礼者のために早朝からオープンしているバルにて朝食休憩。

この街はチョコレートで有名らしいが、どこの菓子屋もまだ開店前でひっそりと静まり返っていた。

子供の頃、グリコのアーモンドチョコを食べ過ぎたせいかどうか、瞼の裏に霰粒腫というものができて切開切除した。

それである種のトラウマになったのか、それ以来好んでチョコレートを食べることはなくなった。

 

・・・・・・

アストルガの郊外に出ると、いよいよ今回のカミーノトレッキングの最大の難所、標高1530mのイラゴ峠に向かう上りにかかる。

・・・・・・

こちらに来てから気になっていた、割と大きい野鳥の名前が「カササギ」とわかった。
オナガのように尾が長くて、全体的には黒色、腹部のみ白色。
飛んでいる姿が、「フラッター現象」を起こしたグライダーのようで、ちょっと面白い。

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2016年10月28日(金) 晴
=16日目=  サンタ・カタリナ・デ・ソモサ→フォンセバドン 20km

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ここのところ、朝の出発時は吐く息が白いが、午後になると暑くて半袖、という好天続き。
本日は標高1400mのフォンセバドンという村に宿泊。

この村は、近年までは廃村だったらしいが、カミーノ人気の高まりでアルベルゲが3、4軒できた、ということだ。


鈴鹿山系の雰囲気に何処か似ていて懐かしい気がするが、スケールが10倍くらい違う‥‥。

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2016年10月29日(土) 晴
=17日目=  フォンセバドン→モリナセカ 19km

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2016年10月30日(日) 晴
=18日目=  モリナセカ→ポンフェラーダ 15km

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カミーノ18日目。都会のポンフェラーダに到着。

最近は好天に恵まれ、歩くのに気分がいい。
特に、アストルガ〜モリナセカの間は展望の良い、開けた山間地なのでもっとも気に入った。


帰国フライトの予定日が近づいたため、今回の旅は、ここにて終了(^^)

Coffee Break 2
アンカー 1

   長距離バスの話

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今回、行きマドリッド→ブルゴス、帰りポンフェラーダ→マドリッド 共にALSAの長距離バスを利用した。

ポンフェラーダ→マドリッドで約400km、高速道路を使って約5時間。

料金は29.58€、日本円で約3800円。日本と比べたら安い。

スペイン国鉄Renfeだと、乗換えと乗換え待ち時間が発生するので長距離バスのほうが楽だし確実、と判断してこちらにした。

ALSAバス車内ではフリーWifiが使える(私は目が疲れるので使わないが・・・)

リクライニング・シートで、割とゆったりして列車より快適。

航空機と同様なディスプレイが前席シートバックに埋め込まれ、オーディオやビデオなどが楽しめる。

チケット購入は自動販売機、もしくは窓口だが、自動販売機は日本では馴染みがないので慣れることが肝要。

以下3点に留意すればあまり問題はない。

 ①最初に「英語」表示にする(スペイン語がわかる人は別)

 ②クレジットカード支払にする(キャッシュ表示があってもカード払いしか受付ない機械もあった)→現地の人はあまり現金を持ち歩かないらしい。地下鉄切符もクレジットカード支払が一般的。

 ③発車間近のチケットは完売の可能性があり、ディスプレイ上、文字の色が抜けていてタッチしても反応がない(・・・機械の故障と思い込んだら、永久にチケットは買えない)

ALSAの自動販売機は、たいていバスターミナルの一角にある(24時間利用可能)。

インターネットでも購入可能

  https://www.alsa.es/en/our-destinations  

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