ジイさんは荒野をめざす

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／　　2019年11月28日(木)　曇り時々晴れ
／　　＝２日目＝　　ローマ市内　観光散策　ローマ泊

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バス地下鉄一日乗車券（２４時間券）を買った（・・・ような気がする）。

 

とりあえず、というような「おのぼりさん」気分で、まずは定番のバチカン市国へ・・・

ガイドブックには、地下鉄はスリが多いから注意するよう、記述があったから気を付けて乗ったが、たまたまなのか、そんなに混んでいなかった。

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​オッタヴィアーノ・サン・ピエトロ駅下車、大聖堂前のサン・ピエトロ広場を目指す・・・・

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その次は、サンタンジェロ城を目指す・・・

　・・・・・・

さて、美しいサンタンジェロ橋の上では、いや～なケニア人に遭遇したことを書こう。

本当は記憶を消したいくらいの出来事だが、いちおう書きとどめておこう、ボケ防止くらいの役には立つだろう・・・

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・・・ユー、日本人か？・・・おお！そうか。俺は日本が大好きだ！日本に友達が何人かいるぜ・・・俺はケニアから来たXXだ（ここで握手）・・・ユーの名前は？・・・おお！いい靴を履いてるねぇ、俺も日本の靴を履いてるぜ！・・・ユーは俺の友達だ！うれしいから、これをプレゼントしよう！タダだ！・・・

 

そう話し掛けてきたのは、時々、テレビのバラエティー番組に出るボビー・オロゴン似のがっちりした体躯をしたアフリカ人だ。

年齢はそんなに若くはないが、三十歳手前、といった感じ。

愛嬌よく、気さくな雰囲気で声をかけてきた。

・・・友達だから、プレゼントする・・・と言って小生の右手首に民芸品ミサンガ風のブレスレットをはめた・・・プレゼントだから、お金はいらない、ケニアの幸せを呼ぶ縁起物だ、と強調する・・・

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・・・じゃあ、グッバイ、いい旅を！・・・と言いながら、小生の歩く先を立って歩き出した。

２、３秒後、そのボビー・オロゴンは振り向きざま、こう言った・・・ユーは奥さんがいるのか？・・・おお、子供はいるのか？・・・それなら、これは奥さんの分、そしてこれは子供さんの分、俺からのプレゼントだ・・・

と言って、さらに同じミサンガ風ブレスレットを二個、小生の手首につけた・・・（こんなの三個もいらないが・・・）

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・・・ところで、俺にも妻と子供がケニアにいる・・・写真を見せてやる・・・と言って、スマフォの画面を見せた・・・

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そこには可愛い笑顔の赤ちゃんが写っていた・・・実は、今日はこの息子の誕生日なんだ、それで俺はプレゼントを送ったばかりなんだぜ・・・・・・おまえも何かプレゼントをやってくれないか？・・・小銭でもいい・・・

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基本的に、「人類は皆、兄弟」的な世界観を持っている小生でも、この展開にはさすがに怪しい、と気づいた・・・

とりあえず１€でも渡しておこうと思ったので、財布を取り出したが残念ながら１€硬貨がなかった。そこで、２€硬貨を渡した。

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・・・が、素早く財布の中身を透視したボビー・オロゴンは・・・・・１０€札があるじゃねぇか、１０€プレゼントしてくれよ！・・・

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ノー、と強く拒絶すると・・・突如、そのボビー・オロゴンは豹変した・・・

・・・じゃ、さっきやった二個のブレスレットを返せ！

と言って、小生の手首から二個だけ剥ぎ取った・・・

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そして、そのボビー・オロゴンは言った・・・その一個は俺からのプレゼントだ！無料だ！・・・

偉そうにそう言って、ボビー・オロゴンはもと来た方に戻って行った・・・

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あまりの豹変の仕方に、半ば呆然とした・・・

「人の善意」を商売道具にしてしまう人間がいることが、ただただ悲しかった・・・

イタリア旅行の初日が散々なスタートだ・・・

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その後は、旧市街地を歩いて観光しつつ通り抜け、テルミニ駅から地下鉄、バスを乗り継いで宿に戻った。

晩酌は、モッツァレラチーズ・サラダ、チキントマトパスタとハーフボトルの赤ワイン・・・満腹・・・

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